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【レポート公開】ラグビー・エンパワメント・プロジェクト│次世代リーダー育成事業1dayセッション講義レポート
掲載日:2026年3月30日

~年代・性別不問‼「ラグビー・エンパワメント・プロジェクト」次世代リーダー育成事業1dayセッション講義レポート~
12月6日、ラグビー・エンパワメント・プロジェクト最終研修で初のコラボ企画が実施されました。「ラグビー」という共通点を通じて、世代間交流を図る試み。今年度の受講生(5期生)と、一般応募の参加者が同じ教室で講義を受けました。ウェブ応募での参加者は10代から60代まで様々。当日は18名が参加しました。
レポート
講師|日本聴覚障がい者ラグビーフットボール連盟理事・デフラグビー日本代表 大塚貴之さん

体験ワークショップ

参加者が障がいについて理解を深めたところで、デフラグビーの話に移ります。耳に障がいのある人が、どうやってラグビーをすればいいのでしょうか。普段、当たり前に使っている「声」はありません。音のない世界でどうやってプレーをするのか。参加者からは「ボールが光る」「振動するGPSを装着する」などの意見が出ました。
大塚さん曰く、大事なのは「目」。デフラグビーもラグビーもルールは同じ。いかに目でいち早く情報を集めて一瞬で判断を下せるか。スクラムも、レフリーの「クラウチ、バインド、セット」の声を手の動きで判断して、組みます。大塚さんが帝京大時代、仲間と一緒にプレーするために力を入れていたのは、自身の身体能力とラグビーIQを上げることでした。「ラグビーについて詳しくわかれば、無駄な動きが不要になります。BKとしては、目の動きも鍛えました」。目の動きが早ければ、いち早く状況を理解できます。大塚さんの目の動きは、ボクサーの村田諒太さんと同程度言われたとのこと。「村田さんはイチローと同じと言われていましたから、私はイチロー並みです(笑)」並々ならぬ努力を重ねトップレベルでプレーした大塚さんの話に、参加者は引き込まれていきました。
現在のデフラグビーを巡る状況に関しても、質疑応答があり、詳しい説明がありました。2025年の11月、東京でデフリンピックが開催されましたが、デフラグビーは正式種目には入っていません。それは同大会の定める聴覚の障がい程度と、デフラグビーの程度に違いがあることが一因。デフリンピックの基準に合わせると、これまでデフラグビーの大会に出場できていた選手が出られなくなる国もあり、意見は異なるとのこと。現在は参加に向けた調整が進められています。
2026年10月には、デフラグビーのW杯が日本で行われます。現在、国内にあるデフラグビーチームは、大塚さんが所属する「クワイエットタイフーン」のみ。2月から、都内の東京ガス大森グラウンドで、W杯に向けての強化合宿が始まります。
参加者からは、「どうやって応援すればいいですか」という質問も。「デフの選手は視覚で判断するので、タオルを掲げたり、拍手も手を大きく動かしてくれると、わかりやすいです」(大塚さん)
講義の振り返り

「緊急時に手助けできるよう手話を覚えたい」という声もありました。実は手話も各国によって細かな違いがあります。この日、大塚さんが世界共通の手話として教えてくれたのが「I LOVE YOU」。最後は全員がその手話のポーズで記念撮影。大塚さんの話の面白さや人柄が周りに伝わった、温かな時間となりました。
健常者、障がい者という区別は男性、女性、LGBT、白人、黒人と様々な人がいるのと同様に個性の一つ。様々な年代の人がラグビーを通じて交流を図ったこの日の研修も、大塚さんが話してくれた多様性の一つの表れだったかもしれません。
