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ラグビーへの恩返しと 国際協力活動を両立│JICA海外協力隊員 野田一聡

~国際協力編~
野田一聡 JICA海外協力隊員

~国際協力編~

野田一聡 JICA海外協力隊員

現在(2025年3月時点)の活動を聞かせてください。

 日本ラグビーフットボール協会の「アジアンスクラムプロジェクト」のうち、JICA(独立行政法人国際協力機構)とタッグを組んで取り組まれているJICA海外協力隊派遣により、2年間の予定で、インドネシア・ジャカルタで活動中です。
派遣元はJICAです。僕自身、10歳からラグビーを始め、大学卒業までプレーヤーとしてラグビーに携わっていました。ラグビーは私に良い影響を与え続けてくれました。途上国に住んで、途上国の方々がどういう生活をしているのかというところにも興味があり、ラグビーへの恩返しと国際協力活動を両立できるのが、この活動だったのです。

ラグビーのどういうところに価値があると思ったのですか。

 プレーしていて楽しいスポーツですから、シンプルにラグビーの楽しさを伝えたいと思っています。もう一つは、ラグビーはディシプリン(規律)のスポーツです。ラグビーで培ってきたディシプリンは、私が社会生活を送るうえで、とても良い方向に働いていると思います。そして、みんなでひとつになって目標に向かう「ワンチーム」、一人はみんなのために、みんなは一人のためにという、「ワン・フォー・オール、オール・フォー・ワン」の精神、それらはラグビー特有のものだと思います。楽しさ、精神面、友達を大切にするところも伝えたいと思って、ジャカルタで普及活動を行っています。簡単に言えば、ルールを守ろう、友達を大切にしよう、ということを伝えています。

なぜジャカルタだったのですか。

 偶然でした。JICAが、ジャカルタでのラグビー普及活動に参加する人を募集していたのです。ジャカルタでは、私は4代目になります。先輩方の活動日記も見ることができて、私が携わる余地がありそうだと感じました。前向きにスムーズに応募できたと思います。

インドネシアの小学校を回るのですね。

 それが活動のメインですが、本当にたくさんの学校を回りました。同じところに定期的に行くこともあります。子供たちと接するときはインドネシア語を使います。JICA海外協力隊は、海外に着任する前の2か月間、研修の場があって現地の言葉を学ぶのです。あとは現地で経験を積んで、次第に話せるようになっていきます。
インドネシアの子供たちの反応はとても良いです。新しいものに興味があり、積極的にラグビーを体験し、日本人の私にも笑顔で話しかけてくれます。とてもやりやすい環境です。

インドネシアの子どもたちのラグビーの習熟度はどうですか。

 インドネシアの子どもたちは、体の大きさは日本の子どもと同じくらいですが、体をぶつけることに恐怖心がなく、ステップも上手に踏めるプレーヤーが多いです。ジャカルタには既存のラグビーチームにもいくつかあり、そこにも週に一度ほど定期訪問して指導しています。

教えていて喜びを感じるのは、どんなときですか。

 子どもたちが素直に喜んでくれるところですね。ラグビーが楽しかったので、学校を卒業してもクラブチームでプレーを続けたいと言ってくれる子もいます。続けてくれていると聞くと嬉しいです。あとは、私自身が、ラグビーを通じて友達の輪が広がっているのも嬉しいです。異国の地ですが、一切、孤独は感じませんね。

小学生や中学生が国際協力を目指すのであれば、何から始めれば良いでしょうか。

 まずは、常に何かに興味を持ってほしいです。明確に行きたい場所がある子は、その国の文化や言語を知っておくと、行ける可能性が広がります。また、JICAに興味がある人は、日本でも国際協力をすることはできます。国際ボランティアもあるので、いろいろな活動を知り、参加してみるのが良いと思います。

実際にJICA海外協力隊を経験して、子どもたちに伝えたいことはありますか。

 日本と明らかに違う環境の中で、約2年間、刺激的な生活を送ることができます。自分にとってもそうだし、相手にとっても、違う国の人と出会うのは刺激的だと思います。私はJICAに参加して意味があったと思っています。意味と言うのは、私が来たことによって、ラグビーが普及していることを強く感じることができたからです。現地の環境を自分なりに考え、自分なりに良くしていく楽しみがあります。大変なこともありますが、それも楽しいことの一部です。自分が行くことによって、子供たちがラグビーを知り、何かの影響を受ける。それを直に感じることができるのです。ぜひ多くの人にチャレンジしてほしいと思っています。